概要
働く人の健康に関わる情報の多くは要配慮個人情報ですが、日本的雇用管理下では、良くも悪くも事業者が従業員の健康情報を把握しようとする意識が高いものです。今日、社会のICT、IOT、AI化の進展、ストレスチェックの義務化等から個人情報管理の在り方を模索されている方は多いと思います。本研修では、事業主と産業医の関係の変化、産業医と産業保健スタッフ間の役割分担、労働者保護の観点について、それぞれの立場から個人情報の取扱管理について、そのあるべき姿を取扱管理規程のサンプル事例、判例研究を通じて一緒に考察して見たいと思います。
以下に示します「健康管理情報取扱規程」は、「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針(平成30年9月7日 労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱い指針公示第1号)」を元に、「個人情報保護法」や「雇用管理に関する個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項(平成29年5月29日個情第749号基発0529第3号)」等を参考にして作成しました。この指針が作成されて以降、厚生労働省ほかの公的機関からの「取扱規程」に係るサンプル実例が見当たりませんでしたので、私が、本指針や上記通達、個人情報保護法ガイドライン等の過去の個人情報管理に係る資料を参考に作成したものです。
本規程はその適用の対象企業を産業保健支援センターが主にターゲットとしている50人未満の小規模事業場から100人前後の規模までの事業場を対象として作成しました。従って、大規模企業のように、安全衛生管理組織体制が確立されている大きな組織で利用する規程ではなく、事実上事業者とその直下の管理者、衛生推進員等が実務的な管理を行う組織体を前提としましたので、実態に即さないと思われる厳密な管理機能は思い切ってカットもしてあります。また、このような組織体を対象としていますので、産業保健機能も産業医は(専属ではなく)嘱託産業医を、健康診断やストレスチェック等は、巡回健診車等外部健診機関が利用されることを前提に考えてあります。
 また、今日の会社は50人前後であっても事務所にPC端末と最低限のLAN環境やインターネット接続機能を有する企業が多いと思われるため、個人情報の管理方式はコンピュータシステムの利用を前提とした上で、従来の紙書類の併用もありの事務処理環境をイメージして作成しました。  この規程サンプルを叩き台として自由に加除修正して個々の企業・顧客にあった適正な取扱規程が作成されることを祈念します。

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